設計の進め方
設計を進めるにあたっては、以下の4つの段階を踏むことになります。@依頼者の基本的な考え方や建築の用途に関連する設計条件、予算、スケジュールなどについて、依頼者から必要条件を提示していただき、建築家とともにお互いに充分納得できるよう話し合います。一方で、敷地の形状、高低差、自然的条件の確認や都市計画による規制や基準法などの法令の調査確認および敷地測量や建物の構造計画に影響を及ぼす地質調査(ボーリング調査など)を行います。Aこの段階では、調査・企画業務委託・受託書や基本設計委託・受託書を取り交わした後、調査・企画業務を進め、設計条件を整理して基本設計に入ります。基本的な平面計画と敷地利用などを勘案してプランの可能性を探り、工事費概算の検討を踏まえて案を絞り込みながら立体的な形態の検討を経て、ご一緒に基本計画を決定します。Bこの後、設計監理契約を結んで実施設計に入ります。各図面による打ち合わせを行い、構造、設備設計をを行って依頼者の要求が充分反映された設計図書が完成したら、次に複数の施工者を見積合わせなどで選定して工事請負契約を結びます。C工事中は設計監理者が建築主の立場で工事監理を行って報告します。設計監理のプロ(建築家)は完成引渡しまではもちろんのこと、その後の維持管理やリフォームまで依頼者のアドバイサーとして、密接なお付き合いを続けたいと願っています。
設計監理報酬(一般的には設計料といわれる)は設計監理業務の対価として支払われるものですが、一般の商品価格と異なり、依頼者から見てその業務の内容が分かりにくく、適正な価格が判断しにくい面があります。建物の種類や規模によって設計や監理に必要な技術や経験、創造性などが違いますし、当然の事ながらそれに要する労力や日数にも差が有ります。
そこで公正な機関による報酬基準の目安作りが、社会的に要請された結果、建築士法が改正され、第二十五条で「建設大臣は中央建築士審査会の同意を得て、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を定め、これを勧告することができる。」と定められました。
これを受けて「昭和54年建設省告示1206号」が出され、設計監理報酬の基準が明示されました。
その後、改正が繰り返され「平成21年国交省告示第15号」、また平成26年の建築士法改正により「設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとする者は、業務報酬基準の考え方に準拠した委託金額で契約を締結するよう努めなければならない」と規定しています。これをもとに「令和元年(2019年、平成31年)国土交通省告示98号」として業務報酬基準が見直されました。
当事務所では、業務報酬算定の原則として、国土交通省告示第98号による「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準について」をもとにしています。
これに準拠すると
標準業務報酬= 業務経費+技術料等経費及び消費税に相当する額
=直接人件費+特別経費+直接経費+間接経費+直接人件費と同額+技術料等経費で計算されますが、一般的には略算法で計算します。
この方法の詳細については後日掲載します。また契約前には十分ご納得いただける説明をさせて頂きます。